猫のいる実家へ帰省。4日しかいなかったのに私の脳みそは猫に支配され、一人暮らしの部屋に帰ってもなお、カサカサ音がすると「猫かしら?」、床に何かこぼすと「間違って猫が口に入れたら大変!」と考える始末。猫のいない一人暮らしを丸6年しているのに、たった4日で猫モードになってしまった。

 猫と育ったと言っても過言ではない。猫は私の人生に当たり前にいる。

 実家に帰省したのは私の人生に当たり前にいたおばあちゃんが亡くなったからだ。おばあちゃん不死身だったらよかったのにな〜。

 おしゃれで紫色のメガネをたくさん持っていたおばあちゃん。私の胃袋は無限大と思っているのか、丼でご飯を盛ってくれるおばあちゃん。手先が器用で私の部屋の緑色のカーテンを塗ってくれた。おばあちゃんが作ってくれる甘辛い味の豚肉炒めが好きだった。作り方を聞くと最後には必ず「愛情がこもってるの!」と言っていた。私が小さくておじいちゃんいた頃はよくトランプをして遊んだ。神経衰弱で負けそうになるとおばあちゃんはカードをぐちゃぐちゃに混ぜた。そういうずるいところもお茶目で好きだったよ。

 お正月に帰った時はちょっと元気がなかったけど、私がお土産に買っていったピンクのマニキュアを塗ってくれたね。おばあちゃんが喜ぶものをあげられたかなってすごく嬉しかった。私がおばあちゃんに迷惑かけちゃった時もあっけらかんとしていて私はそれにすごく救われた。あの時はごめんね。

 ほぼ毎日めそめそ泣いた。喪服に鼻水が垂れて白いカピカピが残った。急なことでとても寂しい。おばあちゃんの化粧品のパウダーの匂いがもうかげないなんてね。