シェアサイクル

 最近シェアサイクルを使うことを覚えた!とっても便利!近くのコンビニにいつも4、5台停まっているので存在は知っていたが、使い方を調べるのが面倒くさくて挑戦を避けていた。でも、やってみたらできた。しかも簡単だった。アプリを入れて、あとは画面の通りにピッピッと押すだけだった。カードを登録しなくてもPayPayで払えてありがたい。

 先週末は30分自転車を漕いで花を見に行った。今日は10分自転車を漕いでスーパー銭湯に行った。ここ最近、新しいことへの挑戦に臆病になっていた私にとって、シェアサイクルを自分だけの力で使い始められたことはかなり大きな一歩だ。風を切ってペダルを漕いでいると、自動的に爽やかな気持ちになる。私にもできることがたくさんあるんじゃん!と思えた。

 自転車は不思議だ。一回乗れるとそのあとずっと乗れる。半年以上自転車に乗っていなかったが今回も全く問題なかった。「体が覚える」の極北だ。自立しない乗り物が進むのは頭で考えると不可能のように思える。2輪のタイヤが一直線に並んでいるだけなのにペダルを漕ぐと安定して真っ直ぐ進むなんて。クマンバチが飛べる理由が分からないと言われていたのと同じロマンを感じる。私が知らないだけでどちらにもきちんとした理論があるはずだが。

 ところで、私は自転車のサドルの上げ下げが今週末までできなかった。これまで、自転車は買った時に設定してもらう高さのまま乗ってきた。サドルの下についているトレモロアームみたいなやつをどうにかするとサドルの位置を調整できるのは知っていたが、どう動かせばいいのかまを知らなかった。先週末、シェアサイクルのサドルの上げ方がわからなくて5分ほど自転車置き場で格闘していたら、知らない優しい人が代わりに調整してくれた。その時に自転車のトレモロアームはx軸方向に動かすのではなくy軸方向に回すのだと知った。あの優しい人のことは一生忘れない。「困っている人に魚を与えればその人は一時助かる。魚の釣り方を与えればその人は一生助かる」という格言があるが、あの優しい人は魚も魚の釣り方も一度に教えてくれた。あの人の行く道に幸あれ。

 私の人生はB.サドル調整可からA.サドル調整可になった。その喜びを人に言ったら「もう26歳なのに」と呆れられた。生理前だったのも相まって信じられないくらいにむかついた。私に出来てお前に出来ないことを数えてやろうか。

 優しい人のことは一生忘れない一方で、私をむかつかせた人のことは袈裟も含めて一生許さない。期限の切れないポイントカードを2枚持っている状態だ。1枚は早く捨てたい。