美容院

 髪を黒く染めた。茶髪は似合っていたと思うけど、真っ黒な地毛が伸びてきてプリンになるのが嫌だった。

 東京に来てから固定の美容院を決められていない。条件が合う所に適当に行っている。ホットペッパービューティには星の数ほど美容院があって、その中から一つを選ぶのは大変だ。美容院の数はコンビニより多いという。家から一番近いのが固定のコンビニになるが、一番近い美容院が固定になるかというとそうではないよね。私は最寄駅以外の美容院に行くことの方が多い。

 今回行った美容院はあたりだった。いい美容師さんに切ってもらえた。

「ボブにしたくて伸ばしてたけど、我慢できなかったので切って欲しいです」

と伝えたら、私の迷いを汲んでボブにする場合のプランも教えてくれた。あと3ヶ月待ったらいい感じになるらしい。迷ったけど、今この瞬間にかわいくなりたかったからやっぱり切ることにした。

 最近の美容院には雑誌が読めるタブレットが置いてあることが多い。いろんな雑誌が読めるのでありがたい。今日はオレンジページを読んだ。今まで読んだことなかっけど、めっちゃ面白かった。読み切れなかったので明日本屋で買おうかな。Vlogとか暮らしぶりのYouTubeを見るのが好きな私に刺さる内容でした。雑誌って情報が多くて嬉しい。

 シャンプーは髪を染めたのとは違う人がしてくれた。1人が一気通貫でカラー、シャンプー、カットをやることは少なくて、シャンプーとか髪を乾かすのは切るのと違う人がやってくれることが多い。年次が若い人がアシスタントのような感じで動いているのだろうか。

 髪を切られているとき毎回思うが、私の髪の毛は多すぎる。モツモツと降る私の過去の毛たち。英語で髪の毛は複数形になるのかな。ヘアーズって聞いたことがないから不可算なんだろうな。タブレットに髪の毛が積もるのが気になる。私は手の脂が多いのか指紋がつきやすいので、タブレットの表面が白くなっていないかも気になる。

 カットが終わりセットの段になった。親切な美容師さんは明日からのセットを教えてくれた。明日から頑張るぞ!と決意するが、眉毛も描かないでリモートワークをしている私が、髪を外側と内側でブロッキングしてアイロンを通すなんてほんとに出来るのか。いや出来まい。美容師さんは私の髪をふんわり盛って仕上げた。私は少しでも頭を小さく見せたいので、髪のボリュームを抑えよう抑えようとするが、美容師さんは頭頂をふんわりさせる傾向にある。たぶんそっちの方が理にかなった美しさなのだろう。

 茶髪にあわせて化粧をしてきたので、今の黒髪と顔がマッチしていない。化粧を黒髪用にアップデートしなければならない。オレンジ色のアイシャドウしか持っていないので、黒い髪に合いそうなピンクブラウンとかのアイシャドウを見繕いたい。最寄駅に着いて、ドラッグストアに直行した。ここのドラッグストアには広告用に芸能人の全身パネルが置いてある。最近まで平野紫耀のパネルが置いてあったが、今日行ったら大谷翔平に変わっていた。パネルの近くに私が欲しそうなアイシャドウが置いてあった。近づいて分かったが、大谷翔平のパネルは平野紫耀のパネルより明らかに大きい。平野紫耀の1.5倍くらいある。

大谷はパネルになってもでっけ〜んだな。

大谷のデカすぎる背中(パネルの裏側)を見ていると雄大な気持ちになる。なんだか物欲がなくなって何も買わないで帰った。