立てば

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 バーン!芍薬を買った。

 好きな花だ。可憐な色で薄いベールを何枚も重ねたような花びらもかわいい。人間だったらブルベ夏。

 祖母も芍薬が好きだったらしい。華やかなのが好きな人だったのでよく似合う。先週が祖母の誕生日だったのでそれのお祝いも兼ねてうちに飾ろう。祖母は昨年亡くなったが、生まれた日のお祝いはこれからも続く。ワンピースでチョッパーの師匠の医者が言っていたのってこういうことかもね。人は誰かの記憶にあるうちは生き続ける。

 亡くなった後、一度だけ祖母が夢に出てきた。私のアパートに遊びにきて、友達のような気楽さで、狭い部屋の空いているスペースに敷いた布団で寝ていった(ベッドを譲ればよかった)。すごく元気そうだった。私は平安時代の人なので、人が夢に出てくるというのは私起因ではなく相手起因だと思っている。亡くなった人なら特に。おばあちゃんが私に会いにきてくれて嬉しかった。

 芍薬はスーパーで買った。入り口の生花コーナーにあった中で一番つぼみっぽいのを選んだ。花を持ってスーパーを回るのは日常の中の非日常という感じがして気分が良い。右手にひじきと油揚げ、左手に芍薬。家に帰って花瓶に生けて、しばらく経ったら早速ちょっと開き始めていた。前にチューリップを買った時も、家で飾った瞬間に満開になっていた。部屋ってあったかいんだなあ。